ドル円が日本時間朝方に一時1ドル=145円(2週間ぶり)を割れたことで、21日の日経平均株価は111円下落しました。
ドル円の145円割れはさすがにトレーダーの買い意欲も強く、すぐに持ち直し145円台に回帰したことで、日経平均もすぐに持ち直しましたが、窓を開けて下落したことによって、前日比で上昇することはできませんでした。
日経平均株価が下落した要因は単純で、前日の米国株の連騰ストップ+為替の円高が要因です。
昨日の記事はこちら
日本株は前日の米国株の影響を受けやすく、また為替の影響も受けるため、米国株よりもボラティリティが高くなる傾向にあります。
つまり、前日の米国株が下落+為替の円高は日本株にとってダブルパンチになるわけです。
8月5日を安値に力強い上昇をみせている日本株ですが、引き続き米国株や為替を睨みながらの展開になりそうです。
それでは、2024年8月21日のマーケットをどうぞ!
日本貿易収支(🇯🇵)
日本の貿易収支は6218億円の赤字と2ヶ月ぶりのマイナスとなりました。
結果 | 市場予想 | 前月 | |
輸出 | 10.3% (9兆6192億円) | 11.4% | 5.4% |
輸入 | 16.6% (10兆2410億円) | 14.9% | 3.2% |
為替の円安が金額ベースを押し上げていますが、数量ベースで見ると弱い動きが続いています。
輸出 | 輸入 |
5.2%減 (6ヶ月連続マイナス) | 4.4%増 (3ヶ月ぶりプラス) |
輸出の減少は主に海外経済の減速を示唆していますが、特に欧州向けは5.3%減と欧州経済の深刻さが窺えます。
ECBは2024年6月会合で利下げを行いましたが、2024年7月会合では政策金利を据え置いています。
市場はECBの次の利下げを9月と予想していますが、経済を支えるために利下げを行うか注目です。
話は逸れましたが、日本の貿易収支の赤字は円安に繋がります。
なぜなら、輸出企業は売上のドルを差し出して・円を買い(ドル円の売り手)、輸入企業は手持ちの円を差し出して・ドルを買う(ドル円の買い手)からです。
綱引きで考えると、貿易収支の赤字は輸入額の方が多いことを示し、今回の結果であれば単純計算で6218億円分のドル買い・円売りフローが生まれるわけです。
これも『構造的な円安』に貢献しています。
雇用者数81万8000人下方修正(🇺🇸)
米労働省労働統計局は2024年3月までの1年間の雇用者数の改定を行いました。
2024年 | 2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 |
-818K | -306K | +462K | -166K | -173K |
見ての通り、基本的に下方修正されます。
結果は81万8000人下方修正され、1ヶ月あたりでは約6万8000人減少したことになります。
(ちなみに、下方修正幅は2009年以来最大です)
2024年3月までの1年間で米雇用者数は290万人増加(月平均24万2000人)しましたが、改定を受けて約17万4000人増になりました。
この17万4000人という数字は、依然として健全な雇用増加ペースですが、新型コロナウイルス禍のピークからは鈍化しています。
8月19日の記事でも取り上げましたが、市場は最大で100万人の下方修正を予想していたため、発表直後はショートカバーが優勢になり、ドル円は上昇で反応しましたが、そこが高値となって上値が重い展開が続いています。
ある程度、大幅な下方修正は予想されていましたが、労働市場が当初の想定よりはるかに早い段階から減速していた可能性を示唆したことで、市場は年内の利下げ幅を1%織り込みました。
つまり、FOMC会合は年内残り3回あるので、市場はその全てで利下げが行われると予想していることになります。
11月会合では現時点で0.5%の利下げが織り込まれています。
今後の雇用統計が弱い結果だった場合、市場の予想は正当化されると思いますが、私はできても年内の利下げ幅は0.75%だと予想しています。
ここからさらに市場の利下げ織り込みが進むには、さらなる労働市場の軟化を示すデータが必要ですが、まだ労働市場は底堅く推移しており、このままズルズルと金利が低下(ドル安)するとは考えにくいです。
よって、織り込みすぎた利下げ幅の修正でのドル高を狙っています。
FOMC議事録(🇺🇸)
FRBは7月31日会合の議事録を公表しました。
最近のインフレでの進展と失業率の上昇は、同会合(7月会合)で政策金利を0.25%引き下げる妥当な論拠を示したとの見解を幾人かは示した、もしくはそのような決定を支持した |
データが引き続きほぼ予想通りの内容となれば、次回会合(9月会合)での利下げは適切になる公算が大きいとの考えを大多数が支持 |
参加者の過半数は雇用の目標に対するリスクが高まったと発言したほか、多くの参加者はインフレ目標に対するリスクは低下したと指摘 |
労働市場状況の漸進的な緩みがさらに進めば、より深刻な悪化に転じ得るリスクがあると一部の参加者は指摘 |
参加者ほぼ全員が、最近のディスインフレに寄与した要因は今後数カ月にインフレに下押し圧力をかけ続ける可能性が高いと指摘 |
7月会合では、9月利下げを匂わせたことでドル安で反応していましたが、議事録で改めてFOMCのハト化が確認されたことで、市場はドル安・株高で反応しました。
ただ、見ての通りFOMC議事録公表後の米国株の反応はイマイチです。
つまり、市場はすでに9月利下げを100%織り込んでおり、これが8月5日を安値に上昇を続けている理由です。
相場というものは、一方向に上がり続けるものはなく、健全な相場であれば、小休止(下落)を挟みながら上昇します。
ニュースなどで、『雇用統計が上振れたからドル高』とか『CPIが下振れたからドル安』など解説されることの方が多いですが、雇用統計が上振れてもドル安で反応することもあれば、CPIが下振れてもドル高で反応することもあるわけで、ニュースなどでは値動きを見てから後付けで理由を解説します。
私は結局、値動きの根幹にあるのは『需給』だと考えています。
この話をするとかなり長くなってしまうので次回にしますが、『上昇トレンドでも上がり続ける相場はなく、下落を挟みながら上昇する』ということだけ覚えておいていただければと思います。
ワンポイントアドバイス
ドル円は7月前半に162円手前まで上昇しましたが、色々な要因が重なり、約1ヶ月で20円も下落しました。
ニュースなどでは日米金利差の縮小が背景と解説されることの方が多いですが、4月後半から日米金利差は縮小していたわけで、本来なら4月後半からドル円の下落が始まってもおかしくありません。
ではなぜドル円が20円も急落したのか?
それは、円キャリー取引の巻き戻しです。
簡単に説明すると、溜まっていたドル円のロングを機関投資家などが決済しています。
つまり、このドル円の下落がある程度落ち着けば、再度ドル円は上昇する可能性の方が高いと考えています。
ただ、まだドル円をロングする地合いではなく、慎重に底を見極めながらロングしたいです。
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