【これだけ見ればOK!】2024年8月22日のマーケット

中・上級者向けマーケット分析

22日の日経平均株価は259円の上昇と、引き続き高値圏での揉み合いが続いています。

前日の米国株の上昇や、為替の円安が日本株の下値を支えました。

前日(21日)の米国株

昨日の記事はこちら

8月23日には、閉会中審査で植田総裁が発言し、ジャクソンホール会合でパウエル議長が発言します。

特に日銀が7月会合で利上げに踏み切った際、植田総裁はさらなる利上げに前向きな姿勢を示したことで、日本株の急落や円キャリー取引の急速な巻き戻しなど金融市場が大混乱に陥ったため、植田総裁の発言には要注目です。

その後、内田副総裁の火消し発言などで市場は落ち着きを取り戻しており、23日の発言ではさすがに7月会合での植田総裁のタカ派色は弱めると思いますが、一応警戒です。

ドル円は23日の日米中央銀行トップの発言を前に様子見ムードが強く、アメリカPMIの強い結果を受けても、上値を伸ばすことはできませんでした。

重要イベントを前に積極的にドル円を買い進む動きは見られず、本格的に動き出すのはイベントを通過してからでしょうか。

それでは、2024年8月22日のマーケットをどうぞ!

PMI祭り(🇫🇷🇩🇪🇪🇺🇬🇧🇺🇸)

フランス(🇫🇷)

フランスの総合PMIは製造業の悪さをサービス業が補う形で、17ヶ月ぶりの高水準となりました。

予想結果前回
製造業42.144.444.0
サービス業55.050.250.1
総合52.749.149.1

特にサービス業がかなり強い結果で、27ヶ月ぶりの高水準を記録しました。

PMIは50を上回ると景気拡大、50を下回ると景気縮小を意味します。フランスの場合、製造業は19ヶ月連続で50を下回っており、フランス経済の足を引っ張っていることが窺えます。

ただ、今回の結果はサービス業が牽引する形でフランス経済の力強さを示しましたが、この裏には『パリ五輪』効果があります。

つまり、パリ五輪効果で数字がカサ上げされただけであって、本来のフランス経済の状況は示していないわけです。

実際、発表元であるS&Pグローバルも『パリ五輪効果は一時的』と警告しています。

欧州2位の経済大国であるフランス経済を追うことは非常に重要ですので、来月以降もウォッチしていきます。

ドイツ(🇩🇪)

ドイツの総合PMIもフランス同様、製造業の悪さをサービス業が補っていますが、サービス業ですらも悪くなってきており、2ヶ月連続で50を下回りました。

結果予想前回
製造業42.143.443.2
サービス業51.452.352.5
総合48.549.249.1

製造業は2023年7月に38.8という驚異的な数字を叩き出して以降、ある程度は持ち直していますが、それでも依然として50は下回っており、ドイツ経済の足を引っ張っています。

しかも、残念なことに製造業の悪さがサービス業にも波及してきています。

欧州1位の経済大国であるドイツ経済の悪さが続く限り、欧州全体の景気が良くなることはないでしょう。

今回の結果は、ECBの9月利下げを肯定する内容となりました。

欧州(🇪🇺)

欧州の総合PMIはフランスでのパリ五輪効果が追い風となり、拡大ペースが加速しました。

結果予想前回
製造業45.645.745.8
サービス業53.351.751.9
総合51.250.150.2

総合PMIはかろうじて50を上回っていますが、いつ50を下回ってもおかしくありません。

パリ五輪効果が剥落する来月以降のデータはかなり重要です。

ECBはすでに6月に利下げを実施しており、市場は次の利下げを9月と予想していますが、仮に欧州景気不安からの大幅利下げとなると、欧州株のみならず世界的に株安が進行するでしょう。

欧州経済もユーロ相場の方向性を決める上でかなり重要ですので、引き続き欧州経済にも注目です。

イギリス(🇬🇧)

イギリスの総合PMIは、今年4月以来の高水準となり、市場の予想も上回りました。

結果予想前回
製造業52.552.152.1
サービス業53.352.852.5
総合53.452.952.8

EUを離脱したイギリスは、欧州経済とは対照的に全て50を上回っており、イギリス経済の強さを示しました。

イギリス経済は、2023年下期に一時的にリセッションに陥っていますが、そこから経済は持ち直しています。

経済が持ち直していることで、BOEはなかなか積極的に利下げに踏み切れずにいます。

これがポンド相場の下値を支えている一因となっています。

アメリカ(🇺🇸)

アメリカのPMIはサービス業がやや上昇したものの、製造業が低下したことで、総合は4ヶ月ぶりの低水準となりました。

結果予想前回
製造業48.049.549.6
サービス業55.254.055.0
総合54.153.254.3

製造業PMIは50を下回っており、世界的に製造業の不振が続いています。

また、製造業PMIは5項目全てで悪化し、8ヶ月ぶりの低水準となりました。

2022年3月からの積極的な利上げ以降、製造業の悪化は続いているため、市場参加者の間では『製造業の景況感は悪い』との認識でコンセンサスが形成されているため、足元ではサービス業のPMIが注目されています。

サービス業の景気の強さは直接賃金の上昇に繋がるため、利下げを行う上でサービス業の景況感は非常に重要です。

市場は現在、FRBの利下げは9月と予想しており、その認識を大きく変えるような結果ではなかったといえます。

ECB議事録(🇪🇺)

7月18日のECB会合では、2会合連続での利下げを避け、政策金利を据え置いた会合でしたが、その議事録が公表されました。

サービスインフレの持続は引き続き、インフレ見通しを形成する中心的な要素だった
コアインフレ率のさらなる低下はサービスセクターのディスインフレに依存する必要がある
ディスインフレが実際に軌道に乗っていることを確認するためにより多くのデータを辛抱強く待つ余裕があるとの主張があった
慎重なアプローチをとることで、インフレが現在予想されている以上に持続する場合、政策金利をより緩やかに引き下げることで対応することが可能になる
景気を過度に損なわないことも重要であるため、政策金利の漸進的な引き下げはバランスを必要とすることが強調された
主な意見

と、様々な意見がありましたが、簡単に要約すると『主にサービスインフレがディスインフレの進行を妨げており、(景気が堅調である限り)政策金利を景気抑制的な水準に据え置くことで、サービスインフレが低下するのを待つことができる』とのことだと思います。

要はデータ・ディペンデントの姿勢を貫くということです。

ただ、仮に今後のデータがインフレの上振れを示す内容だったとしても、市場は『ECBは9月に利下げを実施する』と予想しています。

それを裏付けるかのように、レーン・フィンランド中銀総裁は、『欧州の成長見通しに対するリスクが高まっていることから、9月会合での利下げの根拠は強まった』と述べています。

世界の中央銀行は利下げフェーズに入っており、今後の為替相場の方向性を決めるのは、『利下げ時期』ではなく、『利下げ幅』になりそうです。

失業保険申請件数(🇺🇸)

失業保険申請件数は小幅な増加にとどまったことで、労働市場の減速が緩やかなペースであることが示唆されました。

結果予想前回
失業保険申請件数23万2000件23万2000件22万8000件
失業保険継続受給者数186万3000人187万人185万9000人

失業保険申請件数はジリジリと上昇を続けており、FRBが望む形で推移しています。

FRBは急速な労働市場の悪化は望んでなく、労働市場の強さを維持しながらインフレを低下させるという、ソフトランディングを目指しています。

高金利を長く続けるともちろんインフレは低下しますが、代わりに経済にはダメージを与えます。

ただ、経済を支えるために焦って利下げを行うと、今度は逆にインフレが再燃します。

つまり、FRBは現在、難しい舵取りに迫られているわけです。

高金利をどこまで続けるのか、また経済はどこまで持ち堪えるのか、今後のデータを見極めながらトレードしていきたいです。

まとめ

22日のマーケットでは、フランス・ドイツ・欧州・イギリス・アメリカのPMIが発表され、中でも欧州の景気の弱さが鮮明になりました。

景気の弱さは積極的な利下げに繋がるため、なかなか積極的にユーロを買えないというのが現状です。

足元では、トレーダーは年末までのECBの利下げを66bp織り込んでいます。

1回の利下げを25bpと仮定した場合、年内の利下げは2回か3回織り込まれているわけです。

すでにECBは2024年6月に利下げを実施しており、市場の織り込み通りに推移すれば、2024年の利下げ回数は合計で3回か4回になります。

対して、BOEはやっとのことで今月(2024年8月)利下げに踏み切りましたが、トレーダーは年内の利下げを39bp織り込んでいます。

これは、年内の利下げを1回か2回織り込んでいることを意味し、ECBよりも利下げ幅(回数)は小さいということを示します。

つまり、対ドルや対円でロングする場合、ユーロよりもポンドの方がスムーズに上昇します。

反対に、対ドルや対円でショートする場合は、ポンドよりもユーロの方がスムーズに下落します。

通貨ペアの選択に今回の知識を役立てていただければと思います。

おすすめ海外FX証券会社

私が使っている、FX会社は【XM Trading】になります。

過去に他の証券会社も使ってきましたが、今はXM一択ですね。

・口座残高以上の損失を補填してくれる(追証がない)

・レバレッジが大きい

・約定率が100%

・世界最高峰の金融ライセンスを6つ取得しており、必ず着金される(業者の破綻リスクが少ない)

・日本語サポート、日本人スタッフ在中

など日本人が利用する上でとてもいい環境が揃っています。

私が一番大事にしていることは「安全性」です。

どれだけ稼いでも、入金されなければ意味がありません。

また、XMでは口座開設で13,000円分のボーナスが貰えます。

自己資金を投入しなくてもトレードができ、勝った分は出金可能です。

XMについてはこちらの記事でさらに詳しく書いています。

\ 今なら13,000円分のトレード資金がもらえる! /

口座開設はこちら

コメント

タイトルとURLをコピーしました