はじめに
動画で見た方がわかりやすいので、こちらをご視聴ください!
ダウ理論、投資をやったことがある方なら1度は聞いたことがある言葉ではないでしょうか。
聞いたことはあるけど、実際どんな時に使うの?など詳しく解説してますので最後までみてください。
解説の前に、勉強やスポーツなど様々な分野で基礎が大事だとよく言われますが、投資の世界での基礎はダウ理論です。
ダウ理論を制するものは相場を制すると言っても過言ではありません。
ダウ理論を理解するだけで相場の見え方がガラッと変わり、難易度もガクッと下がります。
非常に重要な理論ですので、この動画でダウ理論を覚えていただければと思います。
この動画で学べること
①ダウ理論の歴史
②ダウ理論の6つの法則
③ダウ理論を使った手法
それでは1つずつ解説していきます。
①ダウ理論の歴史
ダウ理論は19世紀後半から20世紀初頭にかけて、チャールズ・H・ダウの考え方を中心に発展してきた市場分析理論です。
チャールズ・H・ダウは1882年にエドワード・ジョーンズと共に『ダウ・ジョーンズ社』を設立し、1889年には『ウォール・ストリート・ジャーナル』を創刊した1人でもあります。
チャールズ・H・ダウ自身が理論を体系化してまとめることはありませんでしたが、1902年、チャールズ・H・ダウが亡くなった後、彼の理論はウィリアム・ピーター・ハミルトンによって引き継がれました。
ウィリアム・ピーター・ハミルトンは1922年に『ウォール街のバロメーター』という本を執筆し、ダウ理論を体系的に解説しました。
ダウ理論の確立にはさらにロバート・レアの貢献が大きな役割を果たしました。
1932年、ロバート・レアは『ダウ理論』という書籍を出版し、チャールズ・H・ダウとウィリアム・ピーター・ハミルトン
の研究を基に、理論を完全に体系化しました。
ロバート・レアは1930年代の大恐慌期にダウ理論を適用し、経済が底を打つタイミングを予測することで、その有効性を再確認しました。
ダウ理論の歴史は古く、市場の変動要因などが変わっても、ダウ理論のトレンド分析や市場心理に関する洞察は普遍的なものとして評価されており、今なおトレーダーの間で重宝されている理論の1つです。
②ダウ理論には6つの法則。
ダウ理論の6つの法則
ダウ理論には6つの基本法則があります。
1、価格は全ての事象を織り込む
2、トレンドは3種類ある
3、トレンドは3段階からなる
4、平均は相互に確認されなければならない
5、トレンドは出来高でも確認できる
6、トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する
言葉だけ聞いても全く分からないと思うので、簡単かつ分かりやすく解説します。
価格は全ての事象を織り込む
これは経済指標や金融政策といったファンダメンタルズ要因、戦争やテロ、災害なども含めて、全ての事象はチャート上の値動きにすでに反映されているという考え方です。
逆に言えば、全ての情報が織り込まれた結果が現在のチャートの形であると考えることができます。
つまり、ダウ理論において値動きを予測するためには、あらゆる情報が織り込まれた結果であるチャートを分析することが最重要だとされています。
テクニカル分析だけでも勝ち続けることはできるということですね。
トレンドは3種類ある
こちらの図のように、トレンドは長期・中期・短期と3種類に分かれています。
トレンドは
1年から数年間継続する長期トレンド
3週間から数ヶ月継続する中期トレンド
3週間未満の短期トレンドに分類されます。
簡単に説明すると、長期トレンドの中に中期トレンドが存在し、中期トレンドの中に短期トレンドが存在するということです。チャートは一方向に上がり続けたり、一方向に下がり続けたりするものは存在しません。
こちらはUSD/JPYの日足チャートですが、いくら強い上昇トレンドでも必ず調整を挟みながら上昇します。
この長期トレンドに対して逆の方向に動くトレンドを中期トレンドと呼びます。
短期トレンドも同じ考え方です。
いくら強い上昇トレンドでも必ず調整を挟みながら上昇するということだけ覚えておけばOKです。
これを覚えておくだけでも、チキン利食いが減り、利益を伸ばすことができるようになるのではないでしょうか。
トレンドは3段階からなる
トレンドは3波が1番伸びるということを聞いたことがある方も多いと思います。
これもダウ理論で説明できます。
トレンドには、先行期、追随期、利食い期の3段階があるという考え方です。
先行期では、一部の投資家が先行して底値で買ったり、天井から売ったりすることで、価格に緩やかな動きが出始めます。
追随期は、相場の動きを見て、売買に参加する投資家が増えてくる時期です。
この段階では、個人投資家など幅広い層の投資家が参入し、急激な価格変動が起こりやすくなります。
利食い期は、先行してエントリーしていた投資家が利益確定を行う時期です。
この段階になると、相場が加熱し、多くの報道などを通じて初心者の参入も増えてきます。
利食い期になると先行期や追随期で買った投資家の利益確定フェーズに入るため、上値が重くなり、トレンドは終わりに向かうと考えられています。
こちらはUSD/JPYの日足チャートですが、このように波形を描くことができると思います。
①が先行期
②が追随期
③が利食い期になります。
明らかに追随期の伸びが強く、多くの投資家が参入していることが分かります。
初心者や負けトレーダーの方は、③の利食い期にエントリーしてしまっている可能性が高く、1番難しい場所でトレードをしていることになります。
勝てないのは当たり前ですよね。
②の追随期でトレードするのが1番賢く、また勝率の高いトレードが可能になります。
これを意識するだけでも相場の見え方がガラッと変わると思います。
平均は相互に確認されなければならない
これは、トレンドを判断するためには、相関性のある複数の銘柄を確認する必要があるという考え方です。
チャールズ・H・ダウの時代では、ダウ工業株平均とダウ輸送株平均が主に使用されていました。
この2つが同じ方向に動いて初めて『トレンド』が信頼できるとされます。
つまりこれをFXに置き換えると、USD/JPYでトレードする場合、逆相関関係にあるEUR/USDのチャートも一緒に見ましょうねってことです。
例えば、USD/JPYを買いたいと考えているとします。
その場合、EUR/USDのチャートも見て、下落が確認できたら、相対的にUSDの需要が高いことがわかり、買いエントリーが成功しやすくなるという考えです。
1つのチャートだけでなく、相関関係にある他のチャートも一緒に見ることで、勝率を上げることが可能になります。
トレンドは出来高でも確認できる
これは、トレンドの信頼度は出来高によっても確認できるという考え方です。
出来高とは取引量のことを指します。
通常であれば、価格が上昇すると、勢いに乗って売買したいトレーダーが集まってくるため、出来高も上昇する傾向にあります。
しかし、価格が上昇しても出来高が上昇しない場合があり、そのようなケースではトレンドが長続きしない可能性を疑った方がよいということです。
ただ、この理論はFXにおいてあまり有効な理論ではありません。
というのも、FXは株式のように特定の取引所で直接売買が行われるわけではなく、国境の区別なく世界中で取引されているため、出来高を正確に把握することが難しいのです。
FXにおいて出来高はあまり参考にはならない指標ではあるのですが、あくまで参考値として相場分析に活かすのが一般的です。FXの場合、この理論は無視してよいのではないでしょうか。
トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する
これはダウ理論において1番重要な理論です。
ダウ理論では、高値と安値に注目し、連続する高値・安値が、それより前の高値・安値より上に位置する状態が『上昇トレンド』、下に位置する状態が『下降トレンド』と定義されています。
トレンドは『上昇トレンドで高値を更新せずに安値を更新する』『下降トレンドで安値を更新せずに高値を更新する』といったシグナルが出ない限り、基本的に継続していくという考え方です。
他にも高値を更新する直前の安値を『押し安値』と呼び、安値を更新する直前の高値を『戻り高値』と呼びます。
押し安値や戻り高値を更新しない限り、基本的にトレンドは継続するとも考えられています。
ただ、この理論は2つの解釈ができてしまいます。
それは、押し安値の上で高値と安値を切り下げている場合です。
ダウ理論では、連続する高値・安値が、それより前の高値・安値より下に位置する状態が『下降トレンド』と定義されていますが、押し安値を更新するまでは『上昇トレンド』は継続するとも考えられています。
私はこちらのように、押し安値の上であっても高値と安値の切り下げが確認できたら、下降トレンド発生と判断します。
なぜなら、高値と安値を切り下げた状態というものは、高値を更新する力がなかったことを表します。
つまり、上昇トレンドの勢いが失速していると判断することができるわけです。
チャートパターンで言うと、ダブルトップのような形ですね。
もちろん、このようにまだ押し安値の上に位置しているわけですから、ここから上昇していく可能性も十分考えられます。
大事なのは、自分はそう判断していても、自分と違う解釈で相場を監視しているトレーダーもいるということを知ることです。
投資の世界では『正解』というものは存在せず、勝てていればそれが『正解』になります。
自分の意見を押し付けるのではなく、『そういう考え方もあるんだ〜』と受け入れることもトレーダーの仕事です。
正解がない世界だからこそ、自分なりの正解を見つける。それが投資です。
とまあ、ここまで長々と歴史と理論について解説してきましたが、ここからはダウ理論の使い方について実際のチャートを使いながら解説していきます。
私はダウ理論の中で
2,トレンドは3種類ある、
3.トレンドは3段階からなる、
6.トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する
を特に重要視しており、専業トレーダーになった今でも1番重要視している考え方でもあります。
順を追って解説していきます。
さいごに
ダウ理論を学ぶだけで、相場の見え方がガラッと変わり、難易度もガクッと下がるのを実感できたと思います。
投資の基礎であるダウ理論をしっかり学び、一緒に勝ちトレーダーを目指しましょう。
もちろん、ダウ理論のみで専業トレーダーになることは十分可能です。
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